来年1月、86歳で南米大陸最高峰アコンカグア(標高6962メートル)の登頂とスキー滑降をめざすプロスキーヤー三浦雄一郎さんと同行する遠征隊員が3日、東京都内で記者会見した。三浦さんは「やるだけやって、途中であきらめるかもしれないが、しかし限界までがんばって、その限界が頂上であれば、これ以上ないすばらしいことだ」と決意を語った。
【特集】三浦雄一郎さん、南米最高峰に挑戦
三浦さんは1月2日に日本を出発。9日に標高約4200メートルのベースキャンプに入り、21日の登頂と滑降を計画している。
86歳で南米最高峰アコンカグア(標高6962メートル)に挑む三浦雄一郎さんを支える遠征隊のメンバーは、経験豊富な「ドリームチーム」だ。三浦さんは「これ以上ないスタッフ」と信頼を寄せる。3日の会見では同行する次男豪太さん(49)ら5人も成功に向けた意欲を語った。
遠征隊は三浦さんを含め7人で、全員がエベレスト登頂者。三浦事務所も「ドリームチーム」と太鼓判を押す。スキー・モーグル元五輪代表の豪太さんは70、75、80歳で三浦さんがエベレストに登頂した遠征に同行した。不整脈を抱える三浦さんの体調をチェックしながら登る。「86歳という年齢で滑り降りるのはエベレストに登って帰ってくるよりも厳しい可能性はある」と見解を示した。
前回のエベレストに同行した国際山岳医の資格を持つ医師の大城和恵さん(51)も医療面で三浦さんを支える。「生物学的には明らかに86歳。きっちりサポートして、生還という結果で報告したい」と語った。
「登山界のアカデミー賞」と呼ばれるフランスの「ピオレドール(黄金のピッケル)」を2度受賞した平出(ひらいで)和也さん(39)は映像などの記録を担当。「生涯現役の姿は私にも刺激になる。それを多くの人に見ていただく撮影をしたい」。今年、平出さんとピオレドールを受賞した中島健郎さん(34)は「何より生きて帰ることが大事なので、そのサポートに全力を出したい」と語った。
アコンカグアに4回登頂した貫田宗男さん(67)は、「ビエントブランコ」と呼ばれる特有の強風を警戒する。「気象の予報(の把握)などをきちんとやりたい」と話した。
遠征はほかに、山岳ガイドの倉岡裕之さん(57)が参加する。登山活動の中心となる倉岡さんは取材に、「高度が課題。それをいかに克服するかだ」と話した。(金子元希)