南米大陸最高峰アコンカグア(標高6961メートル)から下山したプロスキーヤー三浦雄一郎さん(86)は現地時間の24日、アルゼンチンを出国して日本に向かった。現地で過ごす最後の夜となった23日は、ガイドたちとの食事会に参加し、ワインと肉を堪能した。目的だった登頂は断念したものの、三浦さんは、今月2日から始まったこの遠征で「新しいチャレンジのきっかけをつかめた」と振り返った。
【特集】三浦雄一郎さんの挑戦
23日午前、三浦さんは滞在先のメンドサ市内のホテル近くの理容店に出向き、遠征中に伸び放題だったひげをそった。帰国を前にさっぱりすると、「やっと石器時代から現代の人間に近づいた」。
夜は登山を支えた4人の現地ガイドを交えた食事会に参加。地域特産のワインやアサード(肉の炭火焼き)を味わった。
眺めのよい郊外の自宅に三浦さんや遠征隊のメンバーを招いたのは、ガイドやスタッフをまとめているカーリー・コブラさん(63)。「三浦さんはとても強く見えて驚いた。この皆さんと一緒に仕事ができて感謝している」と話した。
「アサードを堪能した。すばらしい人ばかりだった」と満足そうに語った三浦さん。翌24日朝にメンドサの空港を経ち、首都ブエノスアイレスで乗り換えると、パリ経由で日本に向かった。
アルゼンチンを離れるにあたり、次男豪太さん(49)は「色々なことが起きた旅だった」。三浦さんは「自分の登山は残念だったが、豪太たちは登頂できた。また、新しいチャレンジのきっかけをつかめたので良かった」と語った。帰国は日本時間26日午前の予定。(金子元希)