佐川急便の運転手の男性(38)が精神疾患になったのは、上司から配置転換を強要されたことなどが原因だとして、熊谷労働基準監督署(埼玉県熊谷市)が労災認定していたことが4日わかった。男性と代理人弁護士が記者会見して明かした。認定は10月30日付。
弁護士によると、男性は2009年に入社し、児玉営業所(同県本庄市)に勤務。通勤中に痛めたひざの手術を終えた16年9月に、運転手より所得が下がる荷物整理の業務へ移るよう上司から求められたという。男性は応じなかったため、その後も繰り返し強要された。長時間労働も常態化し、同年12月の残業は「過労死ライン」とされる100時間を超えた。
男性は17年4月に不安障害などと診断された。労基署は、配置転換の強要と長時間労働が精神疾患の原因だと判断したという。
佐川急便は「真摯(しんし)に受け止め、労働環境の改善と長時間労働の是正に取り組む」としている。(村上晃一)