韓国でハンバーガーを店員に投げつけたり、百貨店の従業員を土下座させたりする客が相次いで出現し、問題になっている。その場に居合わせた市民が「切れた客」の身元を明らかにして、社会的な制裁を加えたケースも起きた。雇用労働省は10月、従業員を客の暴力から守らなかった雇用主に罰則を科すことにした。
韓国メディアなどによれば、ソウル市内のマクドナルドで11月、中年男性客が、注文してから時間がかかりすぎるとして、ハンバーガーの入った袋を店員に投げつける事件が起きた。同月には南東部・蔚山(ウルサン)市にあるマクドナルドのドライブスルーで、注文を間違えたとして怒った男性客が食品を店員に投げつけた。
また、ソウル近郊・竜仁(ヨンイン)市の百貨店で7月、購入した化粧品の質が悪かったとして40代の女性客が従業員2人を土下座させたうえに、暴言を吐き、化粧品を投げつけた。
こうした客の暴力に、韓国社会は激しく反発している。大統領府ホームページにある国民請願掲示板には、大韓航空を傘下に収める財閥「韓進グループ」会長の娘がナッツの出し方に怒って搭乗機を引き返させた事件を念頭に、「ナッツ姫のような大企業関係者だけではなく、一般人も公正に処罰すべきだ」との書き込みがなされた。「お客様は神様、は過去の言葉だ」「アルバイトは、暴言を投げつけられても笑顔で応対する奴隷ではない」などの意見も相次いだ。
蔚山市のケースでは、事件を目…