麻生太郎財務相は11日の閣議後会見で、自民党参院議員が本会議場で野党議員を小突いた問題を「はめられた話」と述べた自身の発言を撤回した。野党から「許される話ではない」(立憲民主党の枝野幸男代表)と批判の声が上がっていた。
問題の発端は7日の参院本会議。麻生派の大家敏志・議院運営委員会理事が、野党議員の演説が長引いたことを受けて与野党理事が協議した際に、立憲の理事の肩を小突いた。野党各党は一斉に反発。事態収拾に約4時間を費やし、大家氏が理事を辞任することで決着した。
麻生氏は9日に北九州市であった大家氏の会合で「あれで暴力って言われたら、とてもじゃないなと思った。はめられた話で、いろいろ作られる話はしょっちゅうだ」「暴力はだめだけど、少なくともそういった話じゃないと(大家氏を)励ました」と発言した。これに対し、枝野氏は10日、「行政府による立法府に対する冒瀆(ぼうとく)に他ならない」と批判した。
麻生氏は11日の閣議後会見で、「立法府の話に我々がごちゃごちゃ言うつもりで言ったのではない。そういう具合にとるなら、その点については撤回します」と述べたが、大家氏の行為が暴力に当たるかどうかは「おれは思わない」と認めなかった。