父親と息子が同じチームで頂点を目指す――。プロ野球オリックス・バファローズからドラフト1位で指名された太田椋(りょう、17)=奈良・天理高=の父・暁(さとる)さん(47)は元プロ野球選手であり、今はオリックスの打撃投手だ。厳しさを知るからこそ、期待や不安、様々な思いが心に渦巻く。
15日に大阪市内のホテルであった新人選手の入団発表記者会見。背番号31のユニホームを着た息子が無数のカメラのフラッシュを浴びていた。その光景を会場で静かに見守っていた暁さん。「うれしいものですね」と笑顔を見せた。暁さんは、中学生の息子が当時所属していたチーム内のスピーチで「お父さんを越える」と言ったのを今でも鮮明に覚えている。「僕のことなんか越えてもらわな困るんでね。プロは厳しい。これからもっと努力しないと」。息子への「辛口エール」は自分自身の経験があるからだ。
暁さんは1988年に愛媛・帝…