滋賀県高島市の陸上自衛隊饗庭野(あいばの)演習場で81ミリ迫撃砲弾がそれ、演習場外の車を破損させた事故で、防衛省は18日、射撃分隊長が思い込みで誤った方向を隊員に指示し、責任者の射場指揮官らも点検を怠ったなどとする調査結果を発表した。指揮官を停職8日、分隊長を減給30分の1(1カ月)としたほか、市への連絡が遅れたとして、今津駐屯地の業務隊長を減給30分の1(1カ月)とするなど計19人を処分した。
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陸上幕僚監部によると、射撃分隊は事故当日の11月14日、81ミリ迫撃砲をいったん目標に向けて正しくセットしたが、別部隊による後方からの射撃を避けるため、退避した。約25分後に戻ってやり直した際、分隊長は、砲身の方向を定める照準の数値を思い込みで誤って伝えた。正しい数値をメモしていたが、メモを見なかった。
さらに、別の場所に退避した指揮官と安全係は戻るのが遅れた。安全係が照準の値を確認しないまま、指揮官は予定時刻が来たとして射撃を指示。「遅れれば他の訓練に影響すると思った」と話しているという。
訓練では通常、安全な範囲を示…