インドネシア中部で22日夜に起きた津波で同国の国家防災庁(BNPB)は25日、死者が429人、負傷者は1485人、行方不明者は154人に上ったと発表した。予兆なき津波への不安から、避難所には内陸部などからも住民が殺到。対策が急務になっている。
BNPBによると、25日段階で各地の避難所などに逃れている人は計1万6082人。津波で損壊した家屋は882棟だが、そこに住む住民を大幅に上回る人々が押し寄せている。BNPB報道官は朝日新聞の取材に「家が被害を受けなかった住民も、新たな津波を恐れている」と説明した。
スマトラ島南部バンダルランプンの役場に設けられた避難所も住民があふれていた。被災地域から60キロほど離れ被災した人はほとんどいないが、女性職員は「津波の翌日には数千人が殺到した」と話す。
生後1カ月の息子と夫と避難する女性(36)は、「家は被災していないけど、心配でたまらずに来た」と話した。地震などの前兆がなく、津波が起きたことが住民の心理に影響している模様だ。
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