フィギュアスケートの全日本選手権から一夜明けた25日、大阪・東和薬品ラクタブドームでエキシビションがあり、来年3月にさいたま市である世界選手権代表に決まった女子優勝の坂本花織(シスメックス)や女子2位の紀平梨花(関大ク)、5年ぶりの全日本選手権で男子2位に入った高橋大輔(関大ク)らが出演した。男子優勝の宇野昌磨(トヨタ自動車)は右足のけがで出演しなかった。
フィギュア特集 Kiss and Cry
「大ちゃん、おかえりなさい」のアナウンスで登場した高橋は、黒い衣装で「Guilty Crown」の曲にのせ、しっとりと舞った。アンコールでは2010~11年シーズンのショートプログラム、マンボのメドレーで「世界一」とも評されたステップを披露。最後のスピンで体勢を崩してしまったが、この日一番の歓声を浴びた。
赤い衣装で登場した坂本は「キャバレー」の音楽で笑顔で滑り、3連続ジャンプなどを次々と決めた。「日本中が熱くなるような世界選手権にしたい」と意気込んだ。
「日本開催の世界選手権に出られて本当にうれしく思う」と話す紀平は黒と紫の衣装で「Faded」を滑り、3回転ジャンプなどを着氷した。女子3位で世界選手権代表の宮原知子(関大)はシルク・ドゥ・ソレイユの「キュリオス」の音楽で軽やかなステップを見せた。「世界選手権では自分らしい演技ができるようにしたい」と語った。
男子3位の田中刑事(倉敷芸術科学大大学院)は人気アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」の曲で小刻みにステップを踏み、演技後は登場人物の独特のポージング「ジョジョ立ち」で会場を盛り上げた。「3度目の世界選手権、いい演技を見せたい」
男子4位で四大陸選手権代表の友野一希(同大)は「ワン・モア・タイム」でロボットダンスを披露。トリプルアクセル(3回転半)をきっちり決めた。女子4位で四大陸選手権代表の三原舞依(シスメックス)は「シンデレラ」の曲にのせ2回転半の連続ジャンプを軽やかに跳んだ。
ジュニアグランプリファイナル3位で全日本5位の島田高志郎(木下グループ)はSP曲の「アディオス」で情熱なステップを見せた。活動費の一部をクラウドファンディングで募り、2022年北京五輪を目指す白岩優奈(関大ク)は「Love Is Strange」のキュートな曲で滑った。
ショートプログラム(SP)とフリーで計2本の4回転トーループを決めた14歳の佐藤駿(埼玉栄中)や、全日本ジュニア優勝で全日本女子7位の横井ゆは菜(愛知・中京大中京高)らジュニア勢も登場した。
ジュニアとその下のノービスの選手が世界選手権代表選手の曲で滑る特別プログラムもあった。世界選手権代表の羽生結弦(ANA)のフリー「Origin」を同じ仙台のリンク出身の佐藤が、宇野のフリー「月光」を島田が滑った。島田は世界選手権代表選手に向けて「僕には想像できないほどのプレッシャーがあると思いますが頑張ってください」とエールを送った。(浅野有美)