韓国検察は26日、大統領府が民間人の監視などを権限がないのに行っていたとして家宅捜索した。文在寅(ムンジェイン)政権下で大統領府が捜索を受けたのは初めてだ。
民情首席秘書官室で公務員の汚職を監視していた元職員が今月中旬、韓国メディアに暴露して疑惑が浮上していた。報道によると、同室は外交省職員の私生活や民間人である元首相の親族を監視していたという。
捜索は最大野党の自由韓国党の告発を受けて行われた。大統領府は元職員に越権行為があったことを認めつつも、組織としての関与は否定している。
韓国には、軍事や公務上の秘密保持が必要な場所に対しては、強制捜査を制限する法規がある。このため今回の捜索で検察官は大統領府に入らず、差し押さえの捜索令状を示した後、資料を受け取る形で進められた。(ソウル=武田肇)