米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設の賛否を問う県民投票(来年2月24日投開票)が、与那国町で行われることになった。26日の町議会では投票事務の費用を削った予算案が審議をやり直す「再議」に付されたが、可決。議会が「不参加」の意思を示した形だが、外間守吉(ほかましゅきち)町長は、予算を執行する方針を示した。
本土との溝、基地問題の行方は…沖縄はいま
議会が認めなかった関連予算を執行するとした市町村長は初めて。町議会事務局によると、外間町長は予算案の採決前、議会で対応を聞かれ、「義務的経費なので、市町村に執行する責任がある」と答弁。採決では賛成4人と反対4人の同数となったが、議長が賛成に回り、可決した。
また、那覇市議会はこの日、関連予算案を賛成多数で可決。県庁前では、県主催の啓発イベントが開かれ、投開票までの日数を示したパネルが設置された。謝花喜一郎副知事は「活発な議論を交わし、ぜひ投票所へ足を運んでほしい」とあいさつした。
一方、松川正則市長が「実施しない」と表明した宜野湾市では26日、市民団体が投票権の侵害だとして、損害賠償請求訴訟を起こす準備を始めた。実施が現実的に難しくなる2月8日まで原告を募る。(伊藤和行)