スリランカのマヒンダ・ラジャパクサ前大統領(73)が26日、コロンボ市内で朝日新聞との単独インタビューに応じた。大統領の任期中に中国マネーで巨額のインフラ事業を進めた「親中派」と指摘されることについて、「私は親中国ではない。自国を発展させたかっただけだ」と反論した。
ラジャパクサ氏は10年間の大統領在任中、中国から巨額の資金を借り入れて港湾や空港を整備した。インタビューでは「私は親スリランカだ。どの国の支援でも良かった」とした上で、「一にも二にもスリランカのことを考え、それ以外の国はない」と主張した。
借金返済の負担で、スリランカが南部ハンバントタ港の運営権を99年にわたって中国企業に譲渡したことなどについては、「中国の融資は長期ローンで利子は高くない」「石炭火力発電所などいくつかのプロジェクトは建設費以上の利益を生み出した」と反論した。
スリランカは10月末に現在のシリセナ大統領が首相を解任し、ラジャパクサ氏を新首相に任命してから政治が混乱。ラジャパクサ氏は議会の反対や最高裁の判断によって12月に首相を退いた。中国や隣国インドとの「距離」を巡る争いも背景にあったとされる。
ラジャパクサ氏は一連の政局について、「私が首相になるのは当たり前だ」「(中国の関与は)ない。大統領から言われただけだ」と説明。さらに、「(反対派が)議会解散に抵抗したのは、選挙をすれば我々が勝利するからだ」とし、国民の支持は自らにあるとアピールした。
一方、中国の影響力拡大を懸念するインドとの関係については「今年9月に訪印し、モディ首相にも会った。我々はインドに反対したことはない」と強調。「ある外交官が言っていたが、インドはいつも誤解する」とも語り、インドに対する不満もにじませた。
単独インタビューの主なやりとり
スリランカのラジャパクサ前大…