中国遼寧省大連市中級人民法院(地裁に相当)は27日、収賄罪などに問われた元国家安全省次官の馬建被告に無期懲役、全財産没収の判決を言い渡した。馬被告は米国で習近平(シーチンピン)指導部を批判している中国出身の政商、郭文貴氏と近い関係にあったとされ、同法院は馬被告が郭氏から巨額の賄賂を受け取ったと認定した。
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同法院によると、馬被告は1999~2014年に職務権限を利用し、郭氏が実質的に支配する企業などのために便宜を図った見返りに約1・1億元(約17億5千万円)を受け取った。また、郭氏と共謀し、脅迫的な手段で関係者に株を譲らせるなどして郭氏の企業が別の証券会社を支配する手助けをした。
昨年4月、郭氏がネット上で習指導部の批判を始めた後、馬被告が郭氏との関係を告白する動画が出回り、当局が郭氏の信用をおとしめるため故意に流したとの見方が広がった。郭氏は現在も米国で中国共産党の批判を展開している。(北京=西村大輔)