プロ野球ソフトバンクを自由契約となっていた摂津正投手(36)が8日、ヤフオクドームで会見を開き、現役引退を正式に表明した。ホークス一筋10年のプロ生活を振り返り、「短い選手生活でしたが満足している。後悔も悔いもなく終わることができた」とすっきりとした表情で語った。
ソフトバンク退団の摂津、現役引退へ 12年沢村賞右腕
2012年に沢村賞に輝いた右腕も、16年以降は若手の台頭などもあって登板機会が減り、昨年11月に戦力外通告を受けた。現役続行を希望していたが、他球団からのオファーはなく、引退を決断した。「自分の中では厳しいなと思う部分はあった。可能性があればやりたいと思ったが、それ以上待つのは現実的にシーズンで活躍するのが難しい。昨年いっぱいと決めていた」と説明した。
印象に残る試合に、2年ぶりに復活の白星を挙げた昨年5月22日の西武戦(ヤフオクドーム)を挙げた。今後は未定だが「何かしら野球に携わりたい。具体的なことはこれからゆっくり考えたい」と話した。
秋田県出身。秋田経法大付(現明桜)高からJR東日本東北を経て2008年秋のドラフト5位で入団。26歳でプロ入りすると、新人王となった1年目から2年連続で最優秀中継ぎのタイトルを獲得。摂津、ブライアン・ファルケンボーグ、馬原の必勝リレーは3人の頭文字をとった「SBM」と呼ばれ、10年にソフトバンクとなって初のパ・リーグ優勝に貢献した。
先発転向した11年から5年連続で2桁勝利を挙げ、12年には17勝を挙げて最多勝。5年連続開幕投手を務めるなどエースとしてチームを支えた。日本球界で先発完投型の投手に贈られる沢村賞と、最優秀中継ぎの二つを受賞した投手は摂津しかいない。プロ通算で79勝49敗1セーブ73ホールド、防御率2・98だった。