香港政府は9日、中国の国歌「義勇軍行進曲」に対する侮辱行為を禁止する国歌条例案を公表した。香港では、中国に批判的な若者らが国歌斉唱を拒否しているため、最高で禁錮3年、罰金5万香港ドル(約70万円)の罰則を設ける。中国への愛国精神を高める狙いがあるが、民主派からは国歌の押しつけだとして反発が出ている。
条例案では、国歌は国の象徴だとして、公共の場所で国歌の替え歌をうたうといった国歌を侮辱する行為を禁止する。毎年7月1日の香港返還記念日のほか、香港政府トップの行政長官らが宣誓する就任式などで国歌の演奏を義務づける。
また、子どもたちの愛国精神を高めるため、小中学校で児童や生徒に国歌をうたうよう指導する内容を盛り込んだが、罰則は設けられなかった。学校で児童が冗談で替え歌をうたった場合に罰則が適用されると、校内が混乱するとの懸念が出されていた。
中国では2017年、国歌への…