タックスヘイブン(租税回避地)の実態を明らかにした「パラダイス文書」報道で、トルコの元首相とマルタの会社のつながりについて報じたトルコ人ジャーナリストに対し、トルコの裁判所は8日、名誉毀損(きそん)と侮辱の罪で禁錮1年1カ月の有罪判決を出した。記事を掲載した日刊紙ジュムフリエットには罰金8600トルコリラ(約17万円)を命じた。
有罪判決を受けたペリン・ユンケル氏は、報道を主導した国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)のメンバー。2017年11月、ユルドゥルム首相(当時)の息子2人がマルタに会社を所有していることを報じた。
ICIJによると、ユンケル氏は控訴の意向を示し、「トルコではジャーナリストたちが何年にもわたり、このような戦いをしている。私はその一人にすぎない」とコメントした。ICIJのジェラード・ライル事務局長は「不当な判決は公正で正確な報道を抑えようとする以外の何物でもない」と批判している。(イスタンブール=其山史晃)