日本航空は9日、2017年12月2日の成田発米シカゴ行きの便に乗務した男性統括機長(59)が、乗務前のアルコール検査を別の男性機長(53)に代行させていたと発表した。
日航によると、統括機長は出発約2時間前の午前8時50分ごろ、ロッカールームにあった予備の検知器で呼気検査をした。その結果、日航の基準値(1リットルあたり0・1ミリグラム)ぎりぎりの0・09ミリグラムのアルコールを検知。不安に思った統括機長は、同乗する別の機長に検査を代わりに受けるよう頼んだという。
検査を代行した機長が帰着後に上司に報告して発覚。日航は乗務12時間前からの飲酒を禁止していたが、統括機長は「約14時間前までに350ミリリットル入りの缶酎ハイを3本飲んだ」と説明しているという。日航は昨年2月に統括機長と機長を懲戒処分にしたが当時公表せず、「飲酒検知事例とは認識していなかった」として国にも報告していなかった。(岡戸佑樹)