オーストラリアの警察は10日、外国の大使館や領事館に危険物の入った小包を計38個送った疑いで豪南東部の男(48)を逮捕したと発表した。発がん性のあるアスベスト(石綿)だと主張する物質を送りつけたとみられ、メルボルンの日本総領事館にも届いていた。
警察によると、男は自宅からメルボルン、キャンベラ、シドニーにある各国の大使館や総領事館に不審な物質を郵送した疑い。警察はうち29個の小包を回収し、物質の特定作業を進め、動機を調べている。
在メルボルンの日本総領事館によると、同館にはプラスチック袋の小包が7日に届いた。「アスベストで肺に入ると危険」などと書かれた紙が袋の表面に貼られ、建築廃材のような固形物が入っていた。
とくにメルボルンにある各国の領事館に集中して送りつけられており、地元メディアは9日、一部の領事館が入るビルにガスマスク姿の消防隊員が入る物々しい雰囲気を伝えていた。(シドニー=小暮哲夫)