韓国の大法院(最高裁)が朴槿恵(パククネ)前政権の意向を受けて元徴用工らの民事訴訟の進行を遅らせたとされる事件で、ソウル中央地検は11日午前、当時の大法院長(最高裁長官)だった梁承泰(ヤンスンテ)氏(70)に対する事情聴取を始めた。韓国で大法院長経験者が事情聴取されるのは初めて。
朴前政権は、日本企業に対して元徴用工への損害賠償を命じる判決が出た場合、日韓関係が決定的に悪化することを懸念。2013年から14年にかけ、梁氏ら大法院関係者らと訴訟の進行を遅らせる協議を行ったとされる。
元徴用工の訴訟は13年、ソウル高裁と釜山高裁が、新日鉄住金や三菱重工業に賠償を命じる判決を言い渡した。大法院は昨年10~11月まで5年にわたって判決を出していなかった。
梁氏は11日午前、事情聴取を前に大法院前で記者団に対して「全ての責任は自分が負うのが正しいが、法と良心に背いたことはない」と述べた。「偏見や先入観も持たないでほしい」とも語った。現場には梁氏を非難する市民団体や労組関係者らのほか、支援者も集まり、騒然とした雰囲気に包まれた。
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