日本を昨年訪れた外国人客は、一昨年に比べて8・7%多い3119万人で過去最も多かった。石井啓一国土交通相が11日、閣議後の会見で推計値として発表した。最多の更新は、年間1千万人を初めて上回った2013年から6年連続だ。
月別にみると、台風21号による関西空港の被災や北海道の地震などの影響を受けた昨年9月、前年同月を下回った。前年同月比でのマイナスは5年8カ月ぶりだった。しかし、10月にはプラスに。12月には、年初からの累計が前年の2869万人を上回り、3千万人の大台も超えた。
石井氏は会見で「災害への迅速な対応に加えて、これまで継続して取り組んできたプロモーションの実施などが実を結んだ」と話した。
政府は訪日客を20年に4千万人、30年に6千万人まで増やすことをめざす。今月7日からは、国際観光旅客税(出国税)の徴収も始めた。出入国を円滑にする顔認証ゲートを設けたり、文化財をさまざまな言語で解説したりするのに使うという。
石井氏は「(今秋に日本である)ラグビーW杯、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会など、ますます日本が世界から注目される機会が増えてくる。こうした機会を逃すことなく、アジア地域からの取り込み、欧米豪や富裕層といった新たな訪日需要の掘り起こしを進めたい」とした。