節分に向けて販売される「恵方巻き」の売れ残りが大量に廃棄されている問題を受け、農林水産省が業界団体に対し、食品廃棄の削減を呼びかける事態になっている。コンビニやスーパーはどう対応するのか。
2017年、廃棄された大量の恵方巻きの写真がSNSで拡散し、議論を呼んだ。行き過ぎた販売競争が大量の「食品ロス」を生み出しているとして、農水省は今月11日付で、「貴重な食料資源の有効活用」のため、需要に見合った販売をするよう、日本スーパーマーケット協会や日本フランチャイズチェーン協会などに文書で呼びかけた。
農水省の通知文書では、売り方を見直した「ヤマダストアー」(兵庫県太子町)の事例を紹介している。前年の実績分だけ販売し、欠品が出ても追加販売しないようにしたところ、全8店舗中5店舗で完売し、廃棄量も減ったという。同社は今年も、実績以上の販売はしないとホームページで告知している。
農水省の呼びかけを受け、流通大手の各社は「予約の強化」などの対策を挙げる。
ファミリーマートは、1本パックを二つ予約すれば、特典として1割引きにし、予約で購入してもらいやすいようにした。
イオンリテールは、予約限定の高級な恵方巻きの値段を、昨年までの3千円以上から、今年は2千円台に引き下げた。予約での販売数量を前年より2割増やし、需要に見合った販売に近づけたいという。
セブン―イレブン・ジャパン広報は「昨年の検証を踏まえた新たな売り上げ目標を店舗ごとにたてており無理な発注はしない」としている。
ただ各社とも、前年実績を上回る販売を目指す姿勢は変えておらず、食品ロスをどの程度減らせるかは未知数だ。そもそも、恵方巻きで毎年どのぐらいの廃棄が生じているのかが分かるデータはなく、削減対策の効果を検証するのは難しい。
■今年の品ぞろ…