第2次世界大戦中に朝鮮半島から徴用され、機械メーカー・不二越の軍需工場で働かされた韓国人や遺族らが同社に損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、ソウル高裁は18日、同社の控訴を棄却し、原告27人に1人当たり、最高で1億ウォン(約1千万円)の支払いを命じた。
判決資料などによると、当時12~18歳だった原告らは、担任の教師らから日本に行けば進学や十分な賃金が保証されるなどとだまされたうえ、不二越に劣悪な環境で働かされたとして、不二越の「反人道的な不法行為」が認定された。
元徴用工をめぐる韓国での損害賠償訴訟では、この日の分を含め、日本企業に賠償を命じる判決が相次いでいる。韓国の大法院(最高裁)は昨年、元徴用工らが新日鉄住金や三菱重工業を相手取って起こした訴訟3件で、賠償を命じる判決を確定させた。さらに現在も係争中の訴訟は、確認されただけでも12件。23、30両日にも、元徴用工らが不二越を相手取って損害賠償を求めた別の訴訟の控訴審判決が予定されている。(ソウル=牧野愛博)