勝利至上主義からの脱却を。そのためにもトーナメントからリーグ戦への転換と、球数制限の導入を。プロ野球横浜DeNAベイスターズで主将を務める筒香嘉智外野手(27)が25日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見を開き、子どもを取り巻く野球環境への提言を行った。
「少子化の6~10倍のスピードで、野球人口が減っている。野球界がもっと良くなるために」と会見を開いた筒香。中学まで所属していた硬式野球チーム「堺ビッグボーイズ」の取り組みや、オフにドミニカ共和国を訪ねた経験を交えながら「日本では指導者が正解を教えすぎる。自分で考える力は、野球をやるやらないにかかわらず、将来必要。野球界は、進化するスピードが遅い」と語った。
一貫しているのは「目先の勝利ではなく、子どもの将来」を見据える姿勢だ。スポーツ整形外科が専門の医師が調査したところ、12歳以下の日本代表15選手のうち、ひじの内側に障害があった選手は10人で約67%。ドミニカ共和国では224人を調べ、同じ障害が見つかったのは約18%の41人だったという事例も紹介。「(負けたら終わりの)トーナメントではメンバーも固まり、連投などでひじや肩の故障も増える。ルールで球数制限や練習時間を決めるべきだ」と訴えた。
高校野球についても言及。「甲子園での大会も部活動。教育の場なのに、ドラマを作ることもある。子どもたちのためになっていないのが現状だと思う」と話した。(井上翔太)