大相撲初場所で初優勝した関脇玉鷲(34)=モンゴル出身=が千秋楽から一夜明けた28日、東京都墨田区の片男波部屋で記者会見し、「まだ信じられないです。(賜杯〈しはい〉は)やっぱり重かった」と目尻を下げた。
千秋楽の朝に第2子が誕生。約3900グラムの大きな男の子だった。病院に駆けつけ、1分だけ赤ちゃんの顔を見て朝稽古に向かった。「奥さんが頑張ったので、今度は自分の番だと思った」。力強い出足で遠藤を下し、年6場所制では2番目の高齢記録で初の賜杯をつかみ取った。
優勝決定後はパレードやパーティーで慌ただしく、まだ赤ちゃんに会えていないという。「どっちに似てるかは、まだしっかり顔を見てないからわからないよ」。そう言うと、また目尻を下げた。
優勝を争った貴景勝ら若手の台頭が目立つ中、初土俵から15年、休場することなく相撲を取り続けて初優勝にたどりついた玉鷲。「自分もやらないと。40歳を超えても相撲を取っていたい」と話し、妻子が待つ病院へ向かった。(波戸健一)