ムカデやアリジゴク、オオゲジにダンゴムシ――。身近にいるのに、注目されない生き物や自然を紹介するガイド本を、山口県下関市の自然史博物館の学芸員が1人で発行し続けている。2007年の第1号から累計100を超え、昨年12月に101冊に達した。
豊田ホタルの里ミュージアムで唯一の学芸員、川野敬介さん(40)。本はすべて手作りだ。「地元の自然の魅力に、もっと触れてほしい」との思いが詰まっている。1冊ずつテーマがあり、下関市内で観察できる虫や植物、化石、岩石を詳しく解説している。
シリーズ72作目の「下関のミミズ」では、体のしくみや繁殖、育ち方、生息環境のほか、市内で観察できる16種の生息場所や、発見できる「レア度」まで紹介している。
川野さんは昆虫行動学が専門。…