街の発展を誇示するかのようなタワーマンション群の谷間に、仙台市の復興住宅が建つ。昼間もほとんど日が差さない室内で、高齢の被災者は「安住の地のはずだったのに」と不満を募らせる。行政は「商業地で日照が確保できないのは仕方ない」の一点張りだ。震災復興の「光と影」を、太白区あすと長町に見た。
JR長町駅から徒歩数分。大通りに面し、目の前にスーパーがある至便の地に、13階建ての「あすと長町復興公営住宅」(163戸)はある。
被災者の入居が始まったのは2015年4月。掲示板に貼られていた近隣工事の案内に、気付いた人はほとんどいなかった。南隣、24階建て345戸の分譲マンション計画だ。高さは倍の80メートル。工事はその秋に始まった。
翌16年12月、今度は東隣の…