千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅で死亡し、父親の栗原勇一郎容疑者(41)が傷害容疑で逮捕された事件で、心愛さんが一昨年夏まで住んでいた沖縄県糸満市に「(心愛さんが)父親から恫喝(どうかつ)されている」との相談が親族から寄せられていたことが29日、市への取材でわかった。
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糸満市によると、心愛さんの親族が2017年7月上旬、栗原容疑者が妻(31)に暴力をふるっていると相談。その際、「父親が(心愛さんを)恫喝している」と話したという。市は翌日、心愛さんが当時通っていた小学校と情報を共有。学校がけがの有無や表情の変化に注意したが、異常は確認できなかった。教員が心愛さんと栗原容疑者との三者面談もしたが、不審な点はなかったという。心愛さんは17年9月、野田市の小学校に転校した。
心愛さんはこの年の11~12月、千葉県柏児童相談所に一時保護され、18年3月に野田市で両親との同居を再開した。捜査関係者によると、栗原容疑者はこの後、心愛さんを深夜に起こし、室内に立たせるようになった。親族が「しつけ名目で日常的だった」と県警に証言しているという。
一方、近所の複数の住民は今月上旬ごろから「死ね」などという男の大声を聞いていたという。捜査関係者によると、栗原容疑者は「言うことを聞かないので怒ったりたたいたりした。しつけで、けがをさせるつもりはなかった」と供述している。