南スーダン国連平和維持活動（ＰＫＯ）をめぐり、防衛省が情報公開請求に対して一時、「存在しない」として不開示としていた動画が開示された。朝日新聞が昨年４月に情報公開請求していた。

南スーダンＰＫＯ「ジュバ・クライシス」隊員が語る真相

動画は２分５５秒。派遣された陸上自衛隊の部隊が２０１６年７月８～１２日に撮影。南スーダンの首都ジュバで戦闘が起きた時期にあたり、報告のため編集されたものだ。

「自衛隊の運用要領、能力、練度が推察され、任務の遂行に支障を及ぼす」などとして、開示にあたってモザイクがかけられた。「遠距離カメラが捉えた映像」との字幕がある場面では炎や煙が上がる様子が映っているとみられ、宿営地内の「着弾状況」を撮影した場面もある。

動画は当初、一連の「日報」問題を追及してきたジャーナリストの布施祐仁氏が１６年１２月に情報公開請求した。防衛省は１７年９月、「映像」の一種として、複数枚の写真を開示したが、動画は残っていないとして不開示とした。布施氏は不服審査請求し、撮影状況などを詳しく指定して動画を再請求した。これに対し、防衛省は約５カ月後の１８年２月、「追加で開示する」と布施氏に連絡。「探索の仕方が不十分だった」という。（古城博隆）