ずさんな施設運営が発覚し、全国で初めてこども園認定を取り消された兵庫県姫路市の「わんずまざー保育園」(廃園)をめぐり、県警は31日、園児の定員超過を隠して市の給付費を得たとして、元園長の小幡育子容疑者(47)を詐欺容疑で逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。
姫路署によると、小幡容疑者は2015年3~5月、定員(40人)を大きく超える60~70人の園児がいることを伏せ、認定こども園の運営を公費で支援する施設型給付などを姫路市に申請。2カ月分の給付費計約827万円をだまし取った疑いがある。
県警は15年春からの約2年間で不正に得た給付費は計約1億円にのぼるとみている。定員超過の問題を姫路市が把握していた場合、給付条件を満たさないと判断されたとみられ、県警は施設の実態を隠して給付費を得た行為は詐欺容疑にあたると判断した。
同園では子どもに十分な給食を与えず、給食のおかずが大きめのスプーン1杯程度の園児がいたことなどが17年の県と市の特別監査などで判明。保育士数を水増し報告していたこともわかり、市が詐欺容疑で小幡容疑者を刑事告訴していた。