全日空の子会社ANAウイングスの機長から先月、乗務前の検査でアルコールが検出された問題で、国土交通省は1日、社内の飲酒教育を徹底して再発防止をするよう同社に業務改善勧告を出した。同社は、社内規定違反の時間まで飲酒していたのに、一緒に飲んでいた副操縦士に口裏合わせを依頼して社内調査でうそをついていたとして、機長を懲戒解雇にしている。
国交省はまた、この機長を業務停止1年間、副操縦士を同10日間の処分にした。同省の蝦名邦晴航空局長が1日午前、ANAウイングスの泉弘毅社長に勧告書を手渡した。同社はこれを受け、泉弘毅社長を役員報酬20%減額(1カ月)にし、全日空も平子裕志社長を同じ処分にした。
ANAウイングスは昨年12月にも、パイロットの飲酒問題で厳重注意を受けていた。国交省は航空法の関連通達を1月31日に改正し、パイロットの飲酒ルールを厳格にした。