今季のオリックスはスローガンのように、ファンサービスも「Be Aggressive」だ。
2日の午後1時前、宮崎市清武町のオリックスのキャンプ地に珍しい光景が広がった。グラウンドにファンがぞろぞろと入り、三塁側ベンチ前に陣取ったのだ。三角コーンで区切られてはいるが、ファンの数メートル先には昼休憩中に特打をおこなう外国人選手たちの姿が……。昨季大リーグ3Aで本塁打と打点の2冠に輝いた新加入のメネセスらが豪快に打球を飛ばす度に、ファンは打球方向を目で追ったり、写真を撮ったり。
招待したのは、西村徳文監督だ。「スタンドで見るより、打っている横で見れば喜んでもらえるのでは」と発案し、初日から行っている。この日は抽選で選ばれた20人が約30分間、プロの打撃を堪能した。参加した奈良県橿原市の小学3年、中尾虎太郎君(9)は「こんな近くで見たことない。ホームランだと、当たった音でわかる」と興奮した様子で話していた。
西村監督のファンサービスは、まだ続く。特打が終わるとファンの元へ歩み寄って握手し、談笑。全体練習が終わる夕方には、サイン会も実施した。「喜んでくれるのが一番。シーズンが始まってもどんどんやりたい」。かつての盗塁王らしく、新監督が速攻でスローガンを体現している。(大坂尚子)