阪神の正遊撃手争いが熱い。その中でも、復活を目指す16年目の鳥谷が若手に負けじと猛アピールを続ける。
3日、初のシートノックがあり、かつて「指定席」だったポジションで軽快な動きを見せた。その後の内野ノックでは、中堅に抜けそうな打球を横っ跳びで捕球。「できることはなんでもやってやろうという気持ち」。真っ黒になったユニホーム姿に、ファンから大きな拍手が送られた。
昨季は連続試合出場が止まり、途中出場が増えた。打率や安打数などは軒並み自己ワーストを記録。だが、気持ちは切れていない。昨秋、矢野監督に「ショートで練習したい」と強い思いを伝えた。
キャンプでも決意が見える。福留や糸井らベテラン勢のメニューに加わらず、若手と練習をこなす。「調整できる立場ではない。(若手に)負けないように」。その姿勢は指揮官にも伝わっている。矢野監督はこの3日間で目立った選手に鳥谷をあげ、「めっちゃ表現するタイプではないけど、挑戦するという気持ちがひとつひとつに出ていた」。
ポジションを奪取するのは容易ではない。24歳の北條やプロ5年目の植田、新人の木浪(ホンダ)らライバルは多い。それでも37歳はがむしゃらに前へ進む。=宜野座(辻隆徳)