大相撲初場所で引退した元横綱稀勢の里の荒磯親方(32)が4日、所属する田子ノ浦部屋で指導者デビューした。現役時代と同じく白まわしを締め、若手に技術的なアドバイスを送る場面もあった。
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以前は、どこか空気が張りつめていた稽古場だが、今は活気がある。稀勢の里改め荒磯親方が明るいからだ。
申し合いに励む若手に「そう、そう!」「あー、なんじゃそりゃ!」。16歳の序ノ口力士に立ち合いの姿勢を教え「何度もやっていれば形になってくるから」と、優しく後押し。四股や筋トレで鍛えているのは、いつでも、大関高安と稽古をできるようにだ。
「みんなに強くなってほしい。少しでも後押ししたい」と荒磯親方。大関高安を除けば、三段目が最高。自身は「角界一の猛稽古」で知られる旧鳴戸部屋で鍛えられたが、「(今は)現代っ子だから。現代風にやるしかない」とほほえむ。
初場所時の体形は188センチ、177キロ。9月末の引退相撲で土俵入りを披露するまで維持するつもりだが、本心は「落としたい」。稽古後、着物やジャージーでなく、ブランドもののブルゾンとジーンズ姿で部屋を後にした。(鈴木健輔)