韓国の仁川地検は、かつて大韓航空のナッツの出し方に怒って搭乗機を引き返させた趙顕娥(チョヒョナ)・元副社長と、母の李明姫(イミョンヒ)氏を関税法違反の罪で在宅起訴したと発表した。地検は、2人が同社社員に命じ、海外で購入した品物を税関に申告せず密輸入したとし、法人の大韓航空も起訴した。
発表は1日。地検によると、2人は2012年1月~18年5月、約250回にわたり、大韓航空の旅客機で総額約1億2700万ウォン(約1270万円)相当のカバンや陶磁器などを密輸入したとされる。地検は同じく捜査を続けてきた趙元副社長の妹の同社前専務については、証拠が集まらなかったとして不起訴とした。
趙元副社長は機内でのナッツの出し方に激怒して搭乗機を引き返させ、15年に有罪判決を受けた。前専務も広告会社員に水の入ったコップを投げつけるなどの「パワハラ」で捜査を受けた。(ソウル=武田肇)