タイで4日、3月24日の総選挙に向けた候補者の届け出が始まった。総選挙は4年以上も続く軍事政権からの民政移管に向けたものだが、親軍政政党は軍主導の政権の継続を目指しており、対立するタクシン元首相派の地盤の切り崩しをめぐる攻防が焦点になる。
軍事政権のタイ暫定首相、首相候補に 8年ぶり総選挙
8年ぶりの総選挙、タイで実施へ 先延ばしの末やっと
この日、バンコクの30選挙区の届け出場所となったスポーツ施設には、朝から各党の幹部や候補者らが詰めかけた。親軍政の新党・国民国家の力党は全国350の小選挙区すべてに候補者を立てる。先月末まで軍政の閣僚だったウッタマ党首は「対立の政治から抜け出す受け皿になる」と述べた。
タイではタクシン派と反タクシン派が激しく対立してきた。2014年にクーデターでタクシン派の政権を覆した軍は「タイに安定をもたらした」と自任。国民国家の力党は、軍政のプラユット暫定首相に党の首相候補となるよう要請しており、政治混乱を望まない層に「安定のための選択」を訴えるとみられる。
だが、世論調査の政党支持率で…