インド北部アラハバードで、ヒンドゥー教の大祭クンブ・メーラーが開かれている。聖なるガンジス川とヤムナ川で沐浴(もくよく)して罪を清めようとする人々が集まる世界最大級の祭り。アラハバードのあるウッタルプラデシュ州政府によると、1月中旬に始まって以来、国内外から推定ですでに約1億3千万人の巡礼者らが押し寄せたという。来月4日まで49日間続く。
「80歳の母が『死ぬ前に一度は大祭で沐浴したい』と言うので」。東部コルカタから来たミタ・ダスさん(56)はそう語り、川の水を持ち帰るための水がめを抱えていた。各地を行脚する全裸のサドゥー(修行者)や、何日も歩いて聖地に来た人たちが、朝夕には気温が10度を下回る中で震えながら沐浴していた。
クンブ・メーラーはヒンドゥー教の神話で、神の恵みの滴が天から地上に垂れたとされる4カ所で3年ごとに開催。聖なる川の水に触れれば罪やけがれから解放されると信じられている。ガンジス川とヤムナ川、神話上のサラスワティ川が合流する地点とされるアラハバードは特に神聖とされ、最大の規模を誇る。(アラハバード=奈良部健)