2010年に香港で撮影されたウボンラット王女=AP
[PR]
タイのタクシン元首相派の政党が8日、故プミポン前国王の長女ウボンラット王女(67)を3月の総選挙の首相候補として届け出ました。でも、そもそもタイでは王族が首相になれるのでしょうか? 海外で事実上の亡命生活を送るタクシン元首相は前国王との関係がうまくいっていなかったはずでは? タイ政治の専門家、赤木攻・大阪観光大学長にタイ情勢を聞きました。
タイのウボンラット王女、党首相候補に 恋チュン話題
国際ニュースを解説「今さら聞けない世界」
――タイでこれまで王族はどのような役割を果たしてきたのでしょうか。
「まずタイの王族について理解しなければいけません。日本の皇族と違ってタイの王族は定義があいまいです。日本のような皇籍という概念もない。そして数が多い。いまのワチラロンコン国王は第10代ですが、5代までは正妃の他に側室もいたので平均で子どもが50~60人いました。正式には国王から数えて孫の代までが王族ですが、社会通念的には孫の孫の代までが王族と捉えられている。そうなると人数は膨れあがる。かつては海外留学をするなどして能力のある人が多く、近代化が進んだころは各分野で活躍しました。プミポン前国王の父親はタイでは医学の父とされています。他にも軍のトップになったり、名門タマサート大学のもとになった法律学校をつくったりした王族もいます」
――幅広い分野で活躍していたんですね。でも王族が首相になれるのでしょうか。
「難しいのは、ウボンラット王…