オーストラリアの連邦議会のコンピューターネットワークがサイバー攻撃にあった。上下院の両議長が8日、明らかにした。豪公共放送ABCは、捜査当局が中国が背後にいないか調べている、と報じた。
攻撃はハッカーがネットワークに侵入した初期段階で把握された模様で、両議長は声明で「現時点(8日午前)では、議会内のデータがアクセスされたり、盗まれたりした証拠はない」とし、7日夜から8日朝にかけてすべての利用者のパスワードを更新した。豪州では、5月に総選挙が行われる可能性が高い。地元メディアでは、2016年の米大統領選を巡ってロシアがしたとされるサイバー攻撃にふれ、選挙への介入を狙った可能性を指摘する見方も出ている。
豪議会は11年にもサイバー攻撃を受けた。議員らの電子メールなどが盗み見され、中国の関与が疑われた。15~16年には政府の気象局や統計局も被害にあった。(シドニー=小暮哲夫)