衆院予算委員会は8日、厚生労働省の統計部門を束ねていた大西康之・前政策統括官を参考人招致した。大西氏は「毎月勤労統計」の不正調査について昨年12月13日に把握しながら、18日まで同省幹部に報告しなかったと明らかにした。根本匠厚労相が報告を受けたのは20日、安倍晋三首相はその8日後の28日で、情報伝達の遅れが浮き彫りになった。
危機感不足を露呈した厚労省 大西氏招致、残る多くの謎
大西氏について、野党は一連の統計不正の実態を知るキーパーソンとして国会招致を要求。与党は「現職ではない」と拒否していたが、8日に予算委で新年度予算案の実質審議入りすることと引き換えに実現した。
不正調査について大西氏は、「(昨年)12月13日に初めて知った」と答弁。5日後の同18日に、大西氏の部下が宮川晃厚生労働審議官、定塚由美子官房長らに報告したと述べた。翌19日には、大西氏自身が鈴木俊彦事務次官、宮川氏、定塚氏に①全数調査するべき東京都分で抽出調査してきた②抽出調査の結果を(データ補正など)必要な処理をせず集計していた――ことを報告したという。
大西氏は今月1日、「毎月勤労…