韓国の文在寅大統領は15日、大統領府で開かれた国家情報機関(国情院)・検察・警察改革戦略会議で演説し、「今年、我々は日帝時代を経てゆがめられた権力機関の影から完全に脱する元年にしないといけない」と述べた。韓国の現在の権力機関が抱える問題点は日本統治時代に起因すると指摘したもので、日本側を刺激する可能性がある。
文氏は演説で、今年3月1日で日本統治時代の1919年に朝鮮半島で起きた独立運動から100周年を迎えると強調。そのうえで「日本の植民地時代の検察と警察は、日本の強圧的な植民地統治を支える機関だった」「独立運動を弾圧し(韓国)国民の生殺与奪権を握っていた恐怖の対象だった」と指摘し、独立後も制度改革や人事刷新に失敗したため、権力機関は負の影響を引きずっているとの認識を示した。
韓国の国情院は保守政権時代に、大統領選挙に介入するなどの事件を起こし、文政権は検察と警察を含めて権力機関の改革を進めている。(ソウル=武田肇)