安倍晋三首相は15日、オーストリアのクルツ首相と首相官邸で会談した。クルツ氏は32歳で、外務省によると世界で最も若い首相。両氏は今年が両国の友好150周年にあたることから、観光分野での交流を深めることで一致した。安倍氏は日本の対ロシア、北朝鮮政策にも理解を求めた。
会談で安倍氏は「観光、ビジネス、科学技術、文化交流などで協力を拡大していきたい」、クルツ氏は「この会談は150周年のお祝いすべき年にもってこいの出だしだ」と語った。会談後の共同記者発表で、安倍氏は北朝鮮による拉致問題の早期解決に向けた日本の政策に支持を得たことを明らかにした。
クルツ氏はウィーン市議や外相を務め、2017年5月から与党・国民党の党首。同年12月の首相就任後は「世界一若いリーダー」として数多くのメディアに登場。大学進学前、18歳の時に日本をバックパッカーとして旅した経験もある。
今月17日未明には、羽田―ウィーンを結ぶ直行便の運航が始まる。クルツ氏は16日に広島県を訪問した後、その第一便で帰国する予定だ。(鬼原民幸)