トランプ米大統領が日米安全保障条約を見直す考えを安倍晋三首相に伝えたと表明したことについて、安倍首相は30日夜のインターネット番組で、「大統領の考えを述べられたのだろう」と語った。一方、集団的自衛権の行使を一部容認する安全保障法制で日米同盟が強化されたとし、「日米同盟を破棄する考えはないと述べているのだろうと思う」との見方を示した。
首相は「自衛隊と憲法の関係で私たちが何ができるかは、初めてトランプタワーでお目にかかった時から説明している」と言及。「日本を守るためには(米軍と自衛隊が)助け合うことができるようになった。その(日米)同盟は極めて強いものだ」と強調した。
また、菅義偉官房長官は30日のフジテレビの報道番組で、28日の日米首脳会談や自らが同席した過去の電話協議で日米安保条約の見直しを求められたことは「なかった」と説明。日本政府への直接要請はないとして静観する考えを示し、トランプ氏の発言の真意を問いただす考えは否定した。
トランプ氏は29日の記者会見で「不公平な条約だと、過去6カ月間、安倍首相に伝えてきた」と明かした。今回の来日直前にも同様の発言を繰り返していたが、菅氏は「一連の発言は第三者に対しての発言だ。講演やインタビューで言ったことに対して政府の立場で反応すべきではない」と主張。「米大統領府もそういうことはまったくないと明言している」とした。
一方、両首脳が2人きりになるゴルフの最中に伝えられた可能性には「そこは知りません」と述べた。