大阪市で開かれていた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は29日午後、首脳宣言を採択して閉幕した。
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安倍晋三首相は閉幕後の記者会見で、「自由・公正・無差別。開かれた市場と公平な競争条件という自由貿易の基本的原則を明確に確認できた」と述べた。「グローバル化が進む中で、急速な変化への不安や不満が、対立をも生み出す」とも話し、自由貿易体制が揺らいでいることへの懸念が広まっている現状も指摘した。
世界貿易機関(WTO)については、「グローバル化、デジタル化といった近年の動きに対応できていない」として、参加国でWTO改革の重要性を共有したという。
主要テーマの一つだった、海洋プラスチックごみ対策では、新たな汚染を2050年までにゼロにすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を共有した。安倍首相は、途上国が廃棄物管理の能力を高められるよう、日本政府として25年までに1万人の人材を育成するなどの支援を表明した。