吉田輝と柿木。昨夏の甲子園決勝で対決したルーキー2人が16日、日本ハムの紅白戦で互いに初の実戦に臨み、先発で投げ合った。吉田輝はバックスクリーンへ本塁打を浴びて、ちょっぴりほろ苦いマウンドに。一方、柿木はきっちり三者凡退に抑えた。ともに1イニングずつの登板ながら、存在感は抜群だった。
吉田輝星、プロ第一歩はリラックス 日ハム自主トレ開始
吉田輝星、仮契約の地に人だかり お目当てはサイン
ドラフト1位の吉田輝(秋田・金足農高)の先発が告げられると、約2200人の観客から大きな拍手が起きた。「緊張はあったが、試合に入ったらいつも通り」。先頭の西川を二ゴロに抑えたものの、続く大田に甘い直球を完璧に捉えられた。特大の一発に「少し遠慮してしまった。もっと厳しくいかないと」。
続く清宮は直球で二ゴロ。この後、ファウルで粘られた末に2四球を与えたが、鶴岡を直球で空振り三振に仕留めた。「最後の球が一番よかった」。29球で最速は146キロ。受けた捕手の石川亮も「高卒ルーキーの球じゃなかった。レベルが高い」と評価した。
柿木はドラフト5位入団だが、春夏連覇を達成した大阪桐蔭高のエースという実績通り、マウンドさばきが光った。先頭・浅間のバットを折って中飛に打ち取ると、松本を二ゴロ、王柏融を一ゴロに仕留めた。わずか13球。「ストライクをどんどん取れたのは今後につながります」。最速は144キロだったが「プロの打者は空振りしない。簡単にアウトを取れない」とも。
初登板を終えた吉田輝がロッカーで一息ついていると、柿木がすぐに入ってきた。吉田輝は思わず「(終わるのが)早いなー」と声をかけたという。この日、内容では柿木が上だったが、柿木は「勝った気はしない」という。対して吉田輝は「負けたくない」。将来が楽しみなライバルだ。=国頭(吉村良二)