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障害者の賠償額4分の1「差別では」 争う兄、あす判決

作者:佚名  来源:本站原创   更新:2019-2-21 10:59:31  点击:  切换到繁體中文

 

重度知的障害の男性が、職員が目を離した隙に外へ出て、1キロほど離れたスーパーでドーナツをのどに詰まらせて亡くなった――。この事故をめぐり、施設側の過失責任と男性の「命の価値」を問う訴訟の判決が22日、名古屋地裁で言い渡される。


男性は鶴田早亨(はやと)さん(当時28)。2006年7月に愛知県安城市の障害者支援施設に入った。先天性の自閉症とてんかんがあり、知的能力は2、3歳程度。すぐにどこかへ行ってしまったり、食べ物を口に詰め込んだりする特性があった。


事故は、13年3月22日に起きた。普段は施錠されている扉が開いており、そこから早亨さんは施設の外へ。1キロほど離れたスーパーで陳列されたドーナツを口に詰め込んでしまい、窒息死した。


事故後に話し合いの場が持たれ、施設側が遺族に1800万円の支払いを申し出た。しかし、その賠償額が健常者の4分の1程度だったことなどから、兄の明日香さん(39)が14年8月に提訴。施設を運営する法人に約7250万円の損害賠償を求めている。


訴訟で遺族側は、扉を開いた状態にした「重大な過失」に、職員が目を離したことが重なり事故が起きたと主張。早亨さんの特性や普段の行動、過去に散歩中にいなくなりコンビニで食品を食べたことがあったことなどを踏まえると、施設側には事故を予見できる可能性があった、とした。加えて健常者と障害者で損害賠償の額に差があるのは差別にあたるなどとして、「命の価値の平等」も訴えている。


施設側は、早亨さんが過去に無断外出したことがなく、施設の全ての出入り口を常に施錠し、利用者を監視することまで法律上求められていない、と主張。早亨さんの特性は理解していたが、当時は落ち着いていて、職員が目を離したわずかな時間に施設を出て1キロほど離れたスーパーで事故を起こすことは予見できず、いなくなった後は職員が探しに出るなどの対応も取ったとした。損害賠償の額には、早亨さんが重度の障害のために将来にわたって収入を得る可能性は認められないとし、遺族側が算定した額を否定した。


「母が託した早亨を、もう失ってしまった……」


突然の弟の死に、兄の明日香さんは落ち込んだ。母の好美さん(当時54)の死から、10カ月ほどしか経っていなかった。


好美さんは、早亨さんが養護学校高等部の頃にがんが見つかった。早亨さんが卒業後は施設に入れず、自宅で一緒に生活した。だが、がんが再発し、早亨さんを施設に入所させる必要があった。


好美さんは生前、2冊のノートを書き残していた。「早亨を忘れないで下さい」「すきを見て動き出す」。早亨さんと向き合うときに気をつけるべきことや、早亨さんへの思いなどがびっしりと書かれていた。施設への感謝もあった。明日香さんが「母が必死に育てた弟の存在を私の生きがいに」と思った矢先の事故だった。


何があったのか知りたい、命の価値が違うのはおかしい――。その思いから訴訟を起こして4年半が経った。「裁判官がどういうふうに受け取ってくれたのか、一つの答えが出る」。明日香さんは不安と期待を抱きながら、判決の日を待っている。(仲程雄平)



 

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