山形県朝日町新宿で2日午前10時15分ごろ、アルバイト柴田節男さん(72)方を訪れた長女が、柴田さんと妻の幸子さん(68)が別々の寝室で倒れているのを見つけ、110番通報した。捜査員が駆けつけると、2人はすでに死亡していた。山形県警寒河江署は3日未明、この家に住む長男で無職柴田広幸容疑者(45)を殺人容疑で逮捕し、発表した。調べに対し広幸容疑者は、「今は話したくない」と話しているという。
寒河江署によると、広幸容疑者は2月27日午後6時ごろから3月2日午前10時ごろまでの間に、自宅1階の寝室で柴田さんの首をひものようなもので締めるなどして殺害した疑いがある。同署は広幸容疑者が幸子さんの死亡にも関与しているとみて調べている。
柴田さんは広幸容疑者らと6人暮らし。通報時は、広幸容疑者を含む家族数人がこの家にいたという。
柴田さん夫婦は新聞配達のアルバイトをしており、アルバイト先の新聞販売所によると、2人は2月28日から欠勤していた。28日未明に広幸容疑者から「2人とも仕事を休ませてほしい」と電話があり、その後も同様の電話があったという。販売所の男性所長は「2013年からほぼ皆勤で熱心にやってもらっていた。(2人が亡くなったと聞いて)まさかという思い」と話した。
幸子さんと仲がよかったという80代の女性は、「買い物に行くとき、車に乗せてもらったこともあった。2人は穏やかな優しい人で、信じられない」とショックを受けた様子だった。