日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告(64)が保釈された。様々な条件が課せられた保釈中の暮らしとはどのようなものなのか。あっせん収賄罪などに問われ、437日の勾留の後に保釈された鈴木宗男・元衆院議員に聞いた。
437日間、4畳の独房に 元議員が心揺れた「神経戦」
カルロス・ゴーン もたらした光と影
鈴木氏は6日夕、代表を務める新党大地の党本部(東京都千代田区)で、ゴーン前会長の保釈を報じるテレビ中継に見入った。作業服姿の変装に「え、どの人?」と一瞬とまどったあと、「堂々と出ればいいと思うんだけどな」と首をかしげた。
鈴木氏は保釈時の心境を「うれしかった。久しぶりに家族や支援者に会え、国会議員の仕事にも戻れた」と振り返る。
鈴木氏の場合、裁判終了まで事件関係者ら約20人との面会や連絡が禁止された。また3泊以上、東京の自宅を離れる場合は裁判所の許可が必要だった。
それでも「不便は感じなかった」と言う。「(関係者とは)会う必要がなかったし、外泊の許可も秘書が処理してくれた」
鈴木氏は2003年8月に保釈されてから有罪が確定する10年9月まで政治活動を続け、衆院選に2度当選した。海外出張もあったが、秘書が事前に日程を弁護人に知らせ、裁判所の許可を得たという。
ただ保釈の条件として、「罪証隠滅、逃亡のおそれ」を理由に制限がつけられたことに対しては「国会議員だった私が逃げるわけがない。あまりにも理不尽だった」と今も憤る。
自身は、保釈後に受けた検査で胃がんが見つかった。「検査を受けたほうがいい」とゴーン前会長の体調を気遣った。