早朝、家畜のロバの世話をして、片道3キロ歩いて水くみへ。学校に行きたいけれど、両親は「女の子は勉強をしなくていい」と言う――。8日の国際女性デーに合わせて、そんな途上国の少女のリアルな1日を体感できる「人間すごろく」を、社会人ボランティア6人が作った。9日、東京都内で開かれるイベントで体験できる。
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人間すごろくを考えたのは、メーカーや商社などに勤める20~50代の男女6人と、公益財団法人ケア・インターナショナルジャパン(東京都豊島区)スタッフの高木美代子さん(43)。昨夏、同法人が運営する国際女性デーに向けたプロジェクトの社会人ボランティア募集に応じた。
人間すごろくでは、エチオピアに暮らす12歳のファティマちゃんの1日を描く。早朝から家畜の世話をし、その後、地雷原や急な崖の道を3キロ歩いて水くみへ。「弟が体調が悪そうだが、病院まで片道2時間もかかってしまう」「夫に暴力を振るわれて帰ってきたお姉ちゃんと家族の服を洗濯」など、徹底的にリアリティーを重視した。くじをひいて出た数字の分だけ、マスを進む。途中で、アフリカで児童労働を強いられている女の子の割合や、若年出産の割合などをクイズ形式で出題する。
発案者は、商社に勤める林梓沙さん(28)だ。「よくある講演会ではなく、お客さん自身が考えられるような双方向性を重視した」という。イメージしたのは「人生ゲーム」。「年齢問わず、誰でも参加できるものをと考えた」
メンバーの多くは、このプロジェクトに参加するまで、国際女性デーそのものも知らなかったという。吉村太さん(51)は「女性だけのものにしたくない。女性だけでなく、男性も楽しんで参加できる企画にしたかった」と話す。
すごろくを作るため、途上国の…