タイの憲法裁判所は7日、24日に実施されるタイの総選挙に向け、ウボンラット王女を首相候補に擁立しようとしたタクシン元首相派のタイ国家維持党の解党を命じた。同党の候補者は立候補資格を失う。タクシン派はタイ貢献党という主要政党が残るものの、厳しい選挙戦を余儀なくされることになった。
タクシン派の政党に解党命令 タイ憲法裁判所
「この決定に非常に当惑している」「我々は純粋な意図で国のためになることをしようとした」。法廷から硬い表情で出てきた国家維持党のプリチャーポン党首は、報道陣に囲まれながらこう話した。
法廷の外にはタクシン派の支持者らが集まり、「国家維持党は解党されるようなことはしていない。まだ(タクシン派の)タイ貢献党がある」などと声を張り上げた。
発端は2月8日、国家維持党がワチラロンコン国王の姉のウボンラット王女を、党の首相候補として選挙管理委員会に届け出たことだ。2014年のクーデターで自派の政権を覆されたタクシン派にとり、王女の擁立は政権奪還に向けた「妙手」のはずだった。
だが、その日の夜に国王が王女…