台湾の総統府は12日、蔡英文(ツァイインウェン)総統が21~28日、外交関係のある太平洋のパラオ(人口約2万1千人)、ナウル(同約1万4千人)、マーシャル諸島(同約5万3千人)を訪問し、元首と会談すると発表した。中国側の圧力で断交が相次ぎ、蔡氏の就任後、台湾の外交関係は22カ国から17カ国へ減っている。蔡氏の直接訪問で、関係維持を図る狙いだ。
蔡氏は過去の外遊の前後にハワイやグアムなどに立ち寄り、米国側と接触しており、今回も調整中という。
台湾と外交関係のある17カ国のうち、太平洋の島国は計6カ国を占める。外遊には、呉●燮(ウーチャオシエ、●は金へんにりっとう)外交部長(外相)も同行。呉氏は今月4日、立法院(国会)の報告で、「中国の圧力は止まらず、近いうちに友好国を奪おうとするだろう。外交部は守り抜く」と語った。(北京=西本秀)